3月上映「先祖になる」3回目の座談会

2019年03月22日
1週間経ってしまいましたが「先祖になる」の3回目、最後の上映後の座談会の模様です。

いつも読みやすく座談会の空気感漂う文章を綴ってくれている、頼りになるスタッフの晶子さん不在の回。

最後の上映回でヨレヨレになりながらの聞き書きゆえ、間違いや補足など、ご指摘よろしくお願いします。


・まずはスタッフが口火を切ります。

「直志さんは、もともと実行力のある人。山の仕事はリーダー格だったんだろうな、などと映画の途中までは直志さんに注目してみてましたが、七夕祭りのあたりから登場人物は、すべて男性。
なので、世の中はこんな風なのかなと思ってみました。
今、羽ばたいているという奥様は、ずっと直志さんに従ってきたのかなと。

直志さんをつぐ木こりの方が出てくればいいな。」



・次は移住して木こりをお仕事にしている方。

「直志さんの木の倒し方はすごい。年齢を重ねてということもあるのかもしれないけど、年取っても上手いとは限らないし…」

山仕事の素人には絶対わからない視点からのご意見。

もって生まれたセンスに経験が重なっての技術ということなのでしょうか。

「陸前高田は放射能はいちおう影響がないところということで良かった。
先祖と一緒に住んでた、というのが印象的でした。
直志さんのキャラクターで、震災の映画なのにそんなに暗くなく、面白くみることができた」

「自分は、ひいじいちゃんの顔すら知らないのはどうなのかなあ。今のうちに、自分の前の世代の事を調べて、つながりを取り戻したい」



・次も木に携わるお仕事の方。ご夫婦で参加いただきました。

「直志さんの行動力はすごい。家に先祖の写真は飾ってあるけれど、早くに亡くなったので祖父もしらない。自分も調べてみようと思う」

映画の主人公、佐藤直志さんは消防団員の息子さんを殉職という形で亡くしています。

それを受けて奥様は、「夫は消防団。自分はその嫁なので感情移入してしまった。夫が消防団だから、何かあれば妻子を置いていかなくてはいけない困惑。」

「直志さんは何かやっていないと自分を保てないのでは。映画を観て直志さんに会いたくなった。芯のある我流の方」



・次もご夫婦での参加。

小坂で林業に携わる仕事をされ、さらにご家族で大船渡に20年住まわれていたとのこと。

「東北の人は温かい。お茶を飲みながら漬物を食べる。
夫が山を仕事としてではなく育ててみたいということで飛騨に来た。」

映画の最後、直志さんがお茶を飲んでいる印象的なシーン。あちらでは「おちゃっこする」というのだそう。

直志さんが大地にソバを撒いていたシーンを観て、「自然から力をもらう。労働の後、喜びの根源を自然が教えてくれる」

車いすで来場、懇談会では横になって参加いただいた旦那さまへ奥様が、どうだった? と聞いていただいたところ、ニッコリ笑顔のお返事をいただきました。



・次の方は何度も上映会に参加いただいている常連さん。
「直志さんの人間力に感心。復興の形はいろいろあるんだな。
震災後で南三陸へ行った時、地域の人と行政にはひらきがあると感じた。復興は、最後のひとりが復興したと思わないと復興と言えないのかな…」



・直志さんに会いたいという方がまた1人。
「直志さんの生き方にただただ感動。地について生きている人の自然さを感じた。自分がその場にいたら、わからないけれど。直志さんの新しい家に入ってご来光をいっしょに見たい。祭りも地域に根ざしたもの、すごいなと思った」



・次のご夫婦での参加。寡黙な奥様のかわりに旦那さまが代弁。「今ある命をどうしたらいいのか考えさせられる映画。息子さんをなくしたからの選択で、生きていたら違ったのかな?」

と、ここで津波に遭いながらもご家族全員無事で早くに飛騨へ移住を決められた末永さんに「もし、ご家族を亡くしていたらどうしていましたか?」との質問。

末永さんのお返事は、「とどまっていたかも知れない」

「家族全員が助かっていたから移住できた。家族がひとりでも欠けていたら、遺体が出てくるまでとか現地にとどまっていたかも知れない」

防災を訴えている末永さん、「こちらの消防団員に言っているのは、自分の命を守って下さいということ。自分で自分の命を守ってからまわりの人を助ける。大きな事があったあとは、また自然にもどるんだろうなと思う」



東北大震災から8年。

その前も後も、各地で被害は続いています。

「その時」そして「その後」、ひいては「生き方」について思いを馳せた映画でした。

お手伝いいただいた各団体さま、そして観に来てくださったみなさま、上映会には来られなくても応援してくださったみなさまのお力添えにより、今回の上映会も、有形無形たくさんのものを頂きました。

本当にありがとうございました!



4月は「バベルの学校」を国府町の「にじ」さんと上映します。

3月上映「先祖になる」3回目の座談会








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